4戦目 毎日杯(G3)その1
前走、若駒ステークスで5着に敗れました。
初輸送、初左回り、重馬場、マイナスの馬体重などの影響からか本来の走りとは程遠いものでした。
未勝利戦を勝ち上がったレース内容、調教内容も良かったので、私たちは阪神の良馬場ならクラスが上でも十分戦えると思っていました。
また、もしダービーに出走できる可能性があるならば、それはチャレンジしたい。
そう考えていました。
そしてオーナーは決断します。
2021年3月27日 阪神芝1800m 毎日杯G3
私たちの馬が初めて重賞にチャレンジすることになったのです。
NFしがらきからは「うちから強いの1頭、強烈なのが1頭、そして天栄から強烈なのが1頭きます」と言われました。
謙ちゃんに「東からスゲーの来るけど大丈夫?」って言われたわ(笑)
このしがらきの強い1頭とは、ルペルカーリア
しがらきの強烈な1頭とは、シャフリヤール
天栄の強烈な1頭とは、グレートマジシャン
そして、実際はもう1頭、社台からプログノーシス
今思えば本当に「強烈」ですよね…全部G1級ですもんね(笑)
4戦目 毎日杯(G3)その2
東からグレートマジシャンが来るという事もあって、回避馬がけっこう出たみたいです。
結局、出走頭数は9頭になりました。
レース当日は良馬場
時計はかなり出そうな高速馬場
騎手はもちろん池添騎手
人気は6番人気
スタートをして、もうペースに付いていけない
11秒台のラップがひたすら続く
流石に最後みんな垂れると思ったが
上位馬は垂れなかった
全てにおいて完敗だった
レース後、オーナーと電話
「1.43.9ってなんやねん!レコードじゃん」
「レヴェッツァの1.45.1でも速いんだけどね…」
「例年だったら勝ってるし…」
「まぁしゃーないね。これでもっかい1からやり直そう」
「だね」
皆さんご存じの通り
シャフリヤールはダービーで勝利し、グレートマジシャンはダービー4着、ルペルカーリアは気性難から足踏みしていますが、プログノーシスはこの後2連勝し、川田君から「G1獲れる逸材」と評価されます。
このレースを私は全く後悔していません。
それは何故か
理由は2つあります
- ハードでタフなレースは必ず成長に繋がるので、若いうちに経験したほうが良い
- ルペルカーリア以外の上位馬全頭父ディープインパクトであり、レヴェッツァは父ドゥラメンテである
2歳戦、3歳戦はディープ産駒が強いのは当たり前です。
よくディープ産駒は早熟だとか言われますが、血統的には早熟ではありません。
では何故4歳以降に成績が落ちるのかというと、色々なファクターがあるとは思いますが、一番のファクターは馬体だと思っています。
ディープ産駒は特殊で、みんな柔らかい筋肉で非常にバネがあります。
これは調教して作るものではなく、もう最初からできているものです。
だから作らずとも最初から速い訳です。
逆にハーツクライ産駒は酷いもので、もう緩い緩い(笑)
それが、古馬になってくると鍛えられて良くなってくる。
ディープ産駒は良くも悪くも変わらないんですよね。
だからレヴェッツァも古馬になってディープ産駒を超えれば良いんです。
ディープ産駒で超大物は出ないと言ってきました。
コントレイルは超大物ではないです。
孫も出ないと思います。
出るなら母系に入っている場合だと思います。
5戦目 春日井特別(1勝クラス)
前走の敗戦でクラシックの道は閉ざされました。
ここからまた1から出直そうとチームで話し合い、2021年6月12日/中京芝2200m/春日井特別(1勝クラス)に向かうことになりました。
レース中間、S先生からも「成長しています」といただき、調教の動きも抜群で馬体重も増えていました。
前走の毎日杯が良い経験になっていればここは確勝だろうと思っていました。
引き続き鞍上は池添騎手
当日は良馬場
馬体重はプラス8㎏の478㎏
人気は3番人気
スタートして最初はかかり気味だったが、今までよりは幾分マシ
手応えも反応も悪くはなかった
ただ、上がり最速も逃げ馬を捕らえきれず2着でゴール
後ほど池添騎手から「申し訳ない、差し損ねました。」とオーナーから聞きました。
馬をやっていると、こういった「勝てたであろうレース」というレースがあります。
正直この「勝てたであろうレース」の後が非常に難しい。
当然しがらきに戻さずに次は100%勝つだろうという設定で進めなくてはならない
調教師はココが目一だったのか、まだ余裕があるのか、確実に勝つ調整をしなくてはならない
番組だって中3週なのか、中4週なのか、会場は、距離は、そこに適性があるのか…
しかも、「勝てたであろうレース」の次走は確実に1番人気になるのである。
オーナーサイドの1番人気馬って結構プレッシャー感じてるんですよ
このレースを受けて、チームはある決断をします。
次走から鞍上を福永騎手に変更します。
6戦目 3歳以上1勝クラス その1
池添騎手も福永騎手も日本を代表する3冠ジョッキーです。
本当に私たちのチームは騎手に恵まれていると思います。
それはオーナー、NFしがらき、S先生の力によるもので、感謝しかないです。
何故か分かりませんが、ちょうどこの頃からうちのS先生と福永騎手のコンビがバンバン勝ちまくっていまして、タイミング的にも非常に良かったですね。
福永騎手の素晴らしいところは、馬を成長させるのが上手という点です。
1頭1頭をきちんと分析して、ここが良い、ここが悪い、だからこういう調教をする、だからこういうレースをしなければいけない…と的確、明確に馬を調教してもらえます。
福永君はちゃんとレヴェッツァの癖や特徴をまず理解して
そこを修正(調教)してくれる。
それは俺にとって非常に分かりやすいしありがたいよね。
ロジックに説明してくれるとスッと入ってくるよね。
競馬ファンは「ずっと同じ騎手のほうが良いんじゃないのか」って思っていますよね?
まぁエージェント制になってからはそもそも同じ騎手で行くのは難しいですが…
騎手の方達にはそれぞれ特徴があり、福永騎手や武豊騎手のように馬を成長させることに長けた騎手もいれば、池添騎手やM・デムーロ騎手のようにフィーリングで実力以上の力を発揮させる騎手もいます。
一番大事なのは「その馬が、その時、どの騎手がベストなのか」だと思います。
もちろん先約があれば乗ってくれませんし、会場が違えば乗れません。
ですので、チームとしては何人も準備しておく事が必要なのです。
話が逸れましたが、福永騎手が2週続けてレヴェッツァの調教をしていただき、2021年8月8日/新潟/芝2200m/3歳以上1勝クラスに向かう事になりました。
このレースは「勝たないといけないレース」でした。
6戦目 3歳以上1勝クラス その2
福永騎手はこのレースにいくつかのテーマを持って臨んでいました。
- 馬群の中での折り合い
- バランスの良いフォーム
- 勝利する
これを全部クリアできれば良いのですが、レース前日にオーナーと話しをする中で嫌な予感を感じていました。
それは今まで経験したことのない15頭という多頭数、そして1枠1番という枠順。
新潟芝2200mは内回りです。
馬群の中で我慢させるのは良いのですが、直線で出せるのか?
また圧倒的1番人気予想だったので、当然マークされる立場でした。
レース当日
先生の素晴らしい仕上げで増減なしの478㎏
パドックも文句なし
単勝1.8倍の1番人気
ゲートは流石の福永騎手(日本で1番ゲートが上手い)
すんなり出て内ラチ沿いで抑える
我慢はしている
4角で前の馬がアクシデントで後方に下げられる
直線手応え抜群で追い出すも前が壁
出すところが無く無理やり馬群を割る
またもや差し損ねて3着
競馬って難しいです。
この2戦とも、相手関係は強いとは言えず、良馬場で条件も状態もベストでしたので、本当に「勝たなくてはいけないレース」でした。
しかし、届かない…
しかもレース後…
レヴェッツァ脚負傷してるみたい。馬群割った時にぶつけたっぽい。
ちょっと詳しい状況はまだ分からない…
最悪な展開が脳裏に浮かぶ…
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