2021セレクトセール 回顧

セレクトセール

2021セレクトセール

2021年7月12日、13日にノーザンファームにて開催されたセレクトセールについてお話していきたいと思います。
今回は何といってもサイバーエージェント社長の藤田晋氏が2日間で23億円の爆買いをしたことに大変注目されました。
この事に関しましては別のブログにて掘り下げたいと思っています。

毎年毎年同じ事を思いますが…ドンドン高騰しています。
4年くらい前は外国人バイヤーも購入できるレベルでしたが、今回は2頭くらいしか購入されていません。
うちのチームも1頭アメリカのセリで購入しましたが、輸送を考慮しても比較的安く購入できます。
近年海外セリの購入が増えているのはセレクトセールの高騰化の影響は少なからずあると思います。

しかしながら、現状ノーザンファームの馬は…ノーザンファームは別格と言っていいです。
馬の質はもちろんですが、購入後の管理体制は次元が違っています。
怪我や病気などのメンテナンス、外厩などの施設、そして何より育成スタッフの技術力が違います。
このようなアフターサービスを踏まえると購入価格の高騰は当たり前かもしれません。

そんな世界一の馬セリ市セレクトセール2021の気になった馬、購入予定だった馬を解説していきたいと思います。

2021セレクトセール 1歳馬

セレクトセールに行くと情報収集は欠かせません。
もちろん下見をして馬体もチェックします。
そんな中で1歳馬の目玉はファイネストシティの2020父ロードカナロアでした。
もうこれはオーラもあって本当に素晴らしい馬でした。
購入したのは藤田晋氏で3億円です。
ただ、馬体、血統的にもマイルまでだと思います。

そして、偉大なるディープインパクト産駒のラストクロップですね。
ノーザンファームからゴーマギーゴーの2020とスイープトウショウの2020の2頭が上場されました。
ゴーマギーゴーの2020は長谷川裕司氏が3億円、スイープトウショウの2020は池田豊治氏が2億円で落札されました。
馬体はゴーマギーゴーのほうがディープっぽいけど、血統的にはスイープトウショウのほうがリファールのクロス入りだから良さそうでした。
しかし、2億とか3億とかどんだけG1勝たないかんのかい!と言いたくなりますが、このようなオーナーさんはそんなことは気にもしていません(笑)

次にやっぱり金子真人氏が何を購入するかはみんな(私が)注目しています。
金子真人氏が購入した1歳馬は

  • サンデースマイルⅡ/父ハービンジャー(1億1千万円)*NF
  • ライツェント/父ルーラーシップ(1億4千万円)*NF
  • リープオブフェイス/父ルーラーシップ(1600万円)*追分ファーム
  • クイーンズリンク/父ロードカナロア(2億2千万円)*社台ファーム
  • ジペッサ/父Justify(2億円)*社台ファーム
  • クォリティシーズン/父ハーツクライ(3400万円)*社台ファーム

毎年そうなんですが、金子真人氏は流行りとかデータに左右されず、自分の感覚で購入されています。
今回1歳馬の注目された種牡馬はディープインパクト、ロードカナロア、エピファネイア、サトノダイヤモンド、ハーツクライといったところでしたが、ディープインパクトには目もくれずルーラーシップを購入するあたりは金子真人氏らしい買い方だと思いました。
明らかに種牡馬よりも繁殖牝馬を優先していることが分かります。

今回、チームとしては購入しませんでしたが、私が1歳馬の中で良いと思った馬は…

  • マハーバーラタ/父ハービンジャー/牡馬/4800万円*NF
  • ウィキッドリーパーフェクト/父ダイワメジャー/牡馬/6800万円*NF

マハーバーラタの4800万円は安いと思いました。
兄のヒンドゥタイムズ(現役/5勝)の全弟で、距離も利くし柔らかいスピードもありそうです。
ウィキッドリーパーフェクトは完全なディープ落ちです。
ドンフランキーと同じパターンで、母は米G1馬×ディープ、キンカメ、ハーツを付けてからの最終的にダイワメジャーを付けて走るパターンです。
結局、ディープやハーツは柔らかいスピードで、その対極のダイワメジャーは固めのスピードですから、どっちが合うか合わないかという話ですね。

最後に1頭
ギエムの2020父シルバーステート/牡馬/NF
この仔が驚愕の2億6千万円!!
これは驚きましたね。
2020年シルバーステートの種付け料は120万円ですよ(笑)
しかも母は未勝利馬(祖母は北米10勝の名牝オーサムフェザー)です。
まぁ確かに馬っぷりは抜群に良いですけど…
もう恐怖ですよ。。。

2021セレクトセール 当歳馬

当歳馬の目玉は2頭いました。
ヤンキーローズの2021父ロードカナロア/牡馬/NF
セルキスの2021父キズナ/牡馬/NF

ヤンキーローズはダノックスさんが3億7千万円で購入されました。
ヤンキーローズは生で見た瞬間に「これはヤバいわ」と思いました(笑)
全頭の中でも抜けて良かったです。
関係者の方も「順調にいけばG1だと思う」と言っていました。
ちなみにヤンキーローズの2020父ドゥラメンテ(サンデーレーシング)当選しました(笑)
またデビューしたらブログにて報告しようと思っています。

セルキスは小笹芳央氏が4億1千万円で購入されました。
この仔はヴェロックスの下で母はドイツ馬になります。
個人的に私は好きじゃない血統ですが、牧場関係者の評価が1番良かったです。

金子真人氏の当歳馬購入馬は

  • ヴァシリカ/父ドゥラメンテ/牡馬/1億500万円*NF
  • ミスパスカリ/父ドレフォン/牡馬/3200万円*スマイルファーム
  • シーズアタイガー/父ハーツクライ/牝馬/2億円*NF

1歳馬を6頭購入して、当歳馬が3頭購入となりました。
シーズアタイガーは走ると思います。
血統、馬体ともに素晴らしい馬です。

新種牡馬 レイデオロ

2021セレクトセール当歳馬から産駒が初めて上場されたレイデオロのお話をしたいと思います。

レイデオロ 5代血統表

レイデオロは15戦7勝でG1タイトルは日本ダービーと天皇賞秋の2つ勝っています。
3歳時に日本ダービーを制覇して、4歳時には天皇賞秋を勝っていますが、5歳時がドバイシーマクラシック6着、宝塚記念5着、ジャパンカップ11着、有馬記念7着と引退失敗パターンですね。

やっぱり種牡馬としては強いまま引退しないと印象がよろしくない。
4歳の有馬記念で引退させるべきだったと思います。
本当にディープインパクトは完璧な引き方だったと私は思います。

血統的には怪しいと思っています。
私はオーナーに「様子を見たほうが良い」と進言しました。
まず父キンカメは相手を引き出すので母ラドラーダが重要になります。
ラドラーダは18戦4勝で、芝マイルで活躍しましたがオープン入りはできませんでした。
その父シンボリクリスエスはロベルト系、当たれば大ホームランの一発屋です。
ラドラーダは名牝ウインドインハーヘアのボトムラインになります。
このラインは基本的に良質な牝馬を出します。
ですので、出るなら牝馬かなぁ。。。

馬体は良かったです。
バランスも良く、距離も利きそうです。
当歳セール1番手でファイネストシティの2021が上場されました。
こちらはダノックスさんが1億5千万円で落札されています。
また、モルガナイトの2021は小笹芳央氏が1億8千万円で落札されています。

レイデオロの中でも一番「これは面白い!ちょっと欲しい!」と思ったのが
リンフォルツァンドの2021ですね。

リンフォルツァンドの2021 5代血統表

まず、母父ディープですね。
ディープは母系に入るとより良いです。
もうこの時点で私はある程度走ると思っています。
そして、そのラインにウインドインハーヘアの3×4ですよ。
基本的に母クロスは爆発力が増します。

ただ、問題は3代母父のサドラーです。
ここが良い方向に出れば爆発すると思いますが、サドラーが強調されすぎると微妙かなぁ。。。
でもこの仔が1億8千万円というのは個人的には納得ですね。

新種牡馬 ブリックスアンドモルタル

今回の当歳馬は新種牡馬にレイデオロのほか、ニューイヤーズデイアルアインシュヴァルグランスワーヴリチャードと目白押しだったのですが、この辺りはまた今度機会があれば書きたいと思います。
正直これらの新種牡馬は私たちのチームコンセプトに合わなかったです。

そんな中、今回チームとして狙った馬が
ブリックスアンドモルタルです。

ブリックスアンドモルタル 5代血統表

ブリックスアンドモルタルは米国で13戦11勝うちG1を5勝したスーパーホースです。
2019年にはエクリプス賞年度代表馬に選ばれています。
米国の年度代表馬が日本に来たのはあのサンデーサイレンス以来です。

正直なところ血統的には日本向きではないと思いました。
(Giant’s Causewayは日本ではあまり走らない)
しかし、上手く表現できないのですが、血統なんて関係ないくらいの個性を感じました。

まず、芝のG1を5勝している事
確かに米国はダートが主戦場ですが、それでも芝G1の1800m~2400mを5勝はなかなかできません。
そして差し、追い込み馬である事
米国血統はダート主流なので先行して逃げ切る事が良しとされます。
しかしブリックスアンドモルタルは差し馬で、全G1を差し切っている点は日本競馬に合っていると思われます。
そして、馬体担当I氏もS先生も「馬体のバランスが素晴らしい」と見解が一致
新種牡馬の中でも比較的狙いやすい価格になると思い、ブリックスアンドモルタルで勝負することになりました。

今回ノーザンファームから上場されたブリックスアンドモルタル産駒は

  • ガールオンファイアの2021/牝馬
  • レッドラヴィータの2021/牡馬
  • ランズエッジの2021/牡馬

これら3頭のみで、ガールオンファイアは牝馬なので対象外
レッドラヴィータとランズエッジの2択でしたが本命はランズエッジでした。

2頭ともにリザーブ1800万円(セリ開始価格)でしたので、価値としては5000万円以内がラインと考えていました。
しかし、レッドラヴィータが6000万円で落札され、嫌な予感がしました。
結局、そのあとに上場されたランズエッジは1億500万円という予想の倍の値段が付きました。
価格が価値を大幅に上回っています。

今回、残念ながら1頭も購入することはできませんでした。
こういう時もあります。
しかし、全く後悔なんてしていません。
もちろん反省はします。

私たちのチームは無尽蔵にお金がある訳ではありません。
多くの予算を得て、数頭の良血馬を購入することに憧れもありません。
むしろその逆で、私はいかにノーザンファームの馬で低コストで走る馬を見つけ出す事を信念として取り組んでいます。
だって、良血馬だったら誰でも選べるし、楽しくもないし、私の知識なんて必要ありません。

ノーザンファームの馬で、他のバイヤーが見抜けない馬を買って、レースで数億円もするノーザンファームの良血馬をやっつけたら最高じゃないですか?(笑)
馬は値段で走る訳ではないのです。

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