エピファネイア 血統考察

血統考察

エピファネイア 血統

エピファネイア 5代血統表

エピファネイア 2010/2/11生 牡馬 鹿
戦績:国内12戦6勝/海外2戦0勝
総賞金:68779.5万円
1着実績:ジャパンC/菊花賞/神戸新聞杯/ラジオNIKKEI杯2歳S/京都2歳S
2着実績:日本ダービー/皐月賞
3着以下実績:大阪杯(3着)/有馬記念(5着)/Qエリザベス2世C(4着)/弥生賞(4着)

サイヤーライン:シンボリクリスエス(ロベルト系)
父母ライン:シアトルスルー(ボールドルーラー系)
母父ライン:スペシャルウィーク(サンデーサイレンス系)
ボトムライン:サドラーズウェルズ(ノーザンダンサー系)
強調因子:サドラーズウェルズ

恐竜ことシンボリクリスエスの最高傑作
母は日米のオークスを制した女傑シーザリオ
エピファネイアのハイライトは2014年ジャパンカップ
この年のJCはジェンティルドンナ、ハープスター、ジャスタウェイ、イスラボニータ、スピルバーグなど出走馬18頭中実に12頭がG1馬というハイレベル戦
そんなレースを2着馬に4馬身ちぎって完勝です。
このレースは先行して上がり35.0でしたが、不良馬場の菊花賞でも勝っているようにサイヤーのロベルトが色濃く出ています。
馬体を見てもシンボリクリスエスと同じく極太首ですので、時計のかかる馬場は鬼ですね。

母シーザリオはなんとなく超良血ってイメージないですか?
全然そんなことなくて、3代母Queridaはアイルランドで13戦1勝
祖母のキロフプリミエールは13戦5勝でアメリカのラトガーズH(G3)を勝っていますが、産駒は日本で8頭(後オーストラリア)産んで、活躍したのはシーザリオだけです。
この当時SS最盛期でしたので、SS付けてイマイチ、SS付けてダメ…そしてスペシャル付けて出ちゃったパターンですね(SS落ち)。
この「SS落ち」や「ディープ落ち」は血統あるあるです。

キロフプリミエールにSSをつけると、母父サドラーズウェルズとSSがケンカしちゃう。
でも、スペシャルだとSSが1つ下がるのと、父母のキャンペンガールが上手くバランスを取ります。
ここが絶妙で、キロフプリミエールにダンスを実際につけていますが、これだと全く走らない。
ダンスだってSSが1つ下がる。
でもダンスの父母ダンシングキイだと今度ここがサドラーとケンカしちゃう訳です。

そんな母シーザリオの3番仔がこのエピファネイア
女傑は良い繁殖牝馬になりにくいと言われますが、このシーザリオは名牝です。
6番仔にリオンディーズ、9番仔でサートゥルナーリアを出します。
あっ!?
今気が付きましたが、3の倍数でG1馬が出てますね…という事は…

すいません、脱線しました。
とにかく、シーザリオは名牝です。
リオンディーズやサートゥルナーリアはキンカメ系(ミスプロ)なので、当然出るでしょうが(キンカメは相手を引き出す)、シンボリクリスエスで出したのは素晴らしいです。
ちょっとシンボリクリスエス(ロベルト)は恐竜馬体のおバカちゃんなので、出すのは難しいと思うんですよね…
でも、ロベルトの馬鹿力とシーザリオの中にあるサドラーという強烈な因子が上手く出てくれた。
きっとそこにはキャンペンガールが頑張ってロベルトとサドラーのケンカを仲裁したんだと思っています。

代表産駒 エフフォーリア

エフフォーリア 5代血統表

エフフォーリア 2018/3/10生 牡馬 鹿 エピファネイア第3世代
現役 戦績:国内7戦6勝
1着実績:有馬記念/皐月賞/天皇賞秋/共同通信杯
2着実績:日本ダービー
3着以下:なし

サイヤーライン:シンボリクリスエス(ロベルト系)
父母ライン:スペシャルウィーク(サンデーサイレンス系)
母父ライン:ハーツクライ(サンデーサイレンス系)
ボトムライン:エタン(ネイティブダンサー系)
強調因子:サドラーズウェルズ

久しぶりに牡馬の超大物が出ました。
別に私はアンチディープではありませんが、血統面から牡馬の超大物が出るのはディープ産駒ではないと密かに言い続けてきた私としては内心嬉しい思いです。

新馬、1勝クラス、共同通信杯と3連勝を飾り、皐月賞はロベルト得意の時計の掛かる馬場で完勝
続く日本ダービーはディープ産駒のシャフリヤールにハナ差で敗れますが、レース内容はエフフォーリアのほうが上でした。
恐らく10回やったら8回は勝っていたと思います。
もし勝っていたら2007年あのウオッカ以来のロベルト系ダービー馬だったんですよね…
そしてハイライトは天皇賞秋です。
この時点でディープ産駒最強クラスの2頭
コントレイルとグランアレグリアを力でねじ伏せました。
このレースは衝撃的で、個人的には「ディープ産駒の終焉」を感じましたね。
次の有馬記念ではクロノジェネシス、ディープボンドを倒して年度代表馬となります。

母のケイティーズハートは国内15戦3勝、ダート1400m~1800mで活躍しました。
祖母のケイティーズファーストはアドマイヤムーンの母であるマイケイティーズやダディーズビビットの母ケイティーズギフトなど、数多くの繁殖牝馬を輩出します。
3代母のKatiesはアイルランド1000ギニーを制した名牝で、ホワットケイティーディド(スリープレスナイトの母)や女傑ヒシアマゾンを輩出しました。
確かにケイティーズ一族として繁栄してきましたが、この一族は牝馬しか走らないという一族でした。
それが遂に3代かけて初めて超大物牡馬が出たというわけです。

母ケイティーズハートの初仔はハーツクライの牡馬でした。
これは9戦0勝で引退していますが、トニービン3×4のインブリードなので当然走りません。
2番仔はダンカークを付けますがデビューできず。
そして3番仔でエフフォーリアです。
これは凄い血統表ですね…まぁカオスです(笑)
母父がハーツクライなので、SS3×4です。
ただハーツクライはトニービン主張因子なので、普通に考えるとエピファの主張因子であるサドラーとロベルトが居るので3つ巴のケンカ勃発…そこにSSインブリードですもんね。
ボトムラインのケイティーズの血がバランスを取ったのか…
いや、これは単純なる主張因子の爆発力としておきます。
エネイブル(サドラー3×2)クラスの爆発力が発生したのかな(笑)
2022年に同じくエピファネイアをつけていますが失敗する可能性は高いでしょう。
エフフォーリアは奇跡的に出た感じがします。
とにかく、血統と馬体、どう考えても「ワールドクラス」であることは間違いございません。

代表産駒 デアリングタクト

デアリングタクト 5代血統表

デアリングタクト 2017/4/15生 牝馬 青鹿 エピファネイア第1世代
現役 戦績:国内7戦5勝/海外1戦0勝
1着実績:桜花賞/オークス/秋華賞/エルフィンS
2着実績:金鯱賞
3着以下:ジャパンC(3着)/Qエリザベス2世C(3着)

デアリングタクトは2017年セレクトセール当歳セリに上場するも買手がつかず主取りとなる。
翌年2018年セレクトセール1歳馬セリにて再上場され1200万円で落札される。
2019年11月16日にデビューし、5連勝の無敗で牝馬クラシック3冠を達成する。
2020年ジャパンCでは当時最強馬だったアーモンドアイ、そして同年牡馬3冠馬であるコントレイルと3強対決が実現し3着に健闘する。

血統ですが…完璧ですね。
父エピファネイアお決まりのSS3×4なのですが、3代母父に入っています。
ここにインブリードが入るのが一番効果的なんですよ。
しかも、母父が相手を出すキンカメですから尚効果的です。
SS3×4がドンピシャでハマる=祖母のデアリングハートが出るという訳ですね。

デアリングハートは26戦4勝(重賞3勝)で一見地味な馬ですが、全くそんなことありません。
恐らくこの世代の牝馬は過去最強世代と言っていいですからね。
エピファネイアの母シーザリオを筆頭に、桜花賞とNHKマイルを勝つラインクラフト、そして秋華賞を勝つエアメサイヤ、それにディアデラノビア、ライラプス、モンローブロンド、オリエントチャーム、アンブロワーズ…こんなメンツとやって桜花賞3着、NHKマイル2着という実績は十分威張れますよ。
しかも馬体重420㎏程しかなかったですからね。

デアリングタクトの素晴らしいところは重い馬場でもOK、高速馬場でもOKという万能な脚を持っているところです。
これは、上手くロベルト(重馬場の鬼)とSS(祖母デアリングハート)が出てます。
最近の馬は基本的にどちらかに分かれます。
やっぱりディープ系は重いの苦手だけど、軽いのはやっぱり速い。
そーやって考えると、エフフォーリアとこのデアリングタクトは共通して馬場不問なんですよね。
だから2頭とも3着以下が無いし、そりゃー強い訳ですよ。

やっぱり血統って2代目母が大事なんですよね。
シーザリオとデアリングハートが血統表の2代母のところに並んでいると感慨深いです。

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