プロキオンS 出走
ドンフランキーは4月22日の京都グランドオープン記念を見事に勝利しました。
プロキオンステークスというのは目標にしていましたので、既定路線でした。
7月9日 第28回プロキオンステークス GⅢ 中京ダート1400m
間隔的にも抜群で、この時既にリメイクが出走表明していましたので、心躍る気分でした。
ただ…問題は7月9日がセレクトセールの前日で、登録や関係者さんとの約束などがあり、オーナーをはじめ僕も馬体師も現地に入れないという状況でした。
こればかりはどうしようもなくw
オーナー夫人とS先生に託す事になりました。
ドンちゃんはアーリントンCに出走したことはありますが、今回は全く状況が違います。
netkeibaのトップじゃん!!
センターじゃないけど。。。
しかも、憧れの1週前フォトパドックも出てるし!!
前が恐竜やな…バランスもあんまり良くないし…
プロキオンS 追い切り
ドンちゃんは予定通り栗東TCに入り、6月17日から調教を開始しました。
今回は少し前倒して、いつもより長めの調整になりました。
6月22日に宝塚記念に出走するジェラルディーナと併せたのですが…ずっとジェラルディーナを見ながら走るというw(そんなに可愛いのか…)調教。
そして6月28日に1週前追い切りでも何だか動けていない…スイッチがまだ入っていない調教でした。
おいおい…大丈夫かな。。。
大一番で調整ミスはしたくありません。
そして7月5日の最終追い切り
僕は仕事の合間に追い切り時計をチェック
そう言えば謙一君は函館だから大成か…
…まぁまぁのタイムじゃん!
オーナーに連絡すると…
「聞かない方が良い。。。」
なぁーにぃーーー!!
やっちまったなぁ!!
3頭併せで前の2頭と併せることもできずw
しかも前の1頭は新馬w(新馬に跨っていた助手さんは心配そうにドンちゃんを見ていました…)
なんか予想家の方が「ドンフランキーは最終追いで遅れると無敗だから買い!」という情報を聞いていたので、レース後S先生に「あれはワザとなんですか?」と聞いてみました。
そしたら、笑いながら
「普通に併せに行って遅れました(笑)大成にもそういう指示でした(笑)」
マジかよ。。。先生
でも、その後に先生が…「あれでスイッチ入りましたよ」
プロキオンS レース前
7月9日レース当日、僕達は北海道のノーザンホースパーク/セレクトセール会場に居ました。
レース1時間前…とんでもない事が起こりました。
1歳馬の馬見をしていた時に…僕の不注意で馬に足を蹴られてしまいました。
最初は「痛いけど…足は動くし大丈夫だな…」と思って椅子に座っていたのですが…だんだん意識が朦朧となって…僕はそのまま意識を失ってしまいました(笑)
意識が戻った時、僕は担架で運ばれていて…目の前にオーナーやM場長、K場長が声をかけてくれていました。。。
僕は「やべぇ…ドンちゃんのレース前にとんでもない事してしまったなぁ。。。」
と思って、そのまま来賓用の部屋のベッドで皆さんの救護を受けました。
(結局、骨には異常は無く、気を失ったのもただの貧血でした)
その来賓用の部屋には小さなテレビがあり「ちょうど良いじゃん!」とそこでプロキオンステークスを関係者10人くらいで観戦することになりました(笑)
パドックが始まり、7番ドンフランキーが映った瞬間…みんなが
「めちゃくちゃ良いやん!!」
もう笑っちゃいましたね…僕の周りでテレビ観戦している人たちはみんな競馬のプロフェッショナルですからねw
まぁ最終追い切りが酷かったですからね…こんな仕上げに持ってきた先生はやっぱり凄いですわ。。。
プロキオンS レース
重賞3勝のシャマルは直前で出走取消となり、パドックで良く見せたドンフランキーは2番人気、1番人気はもちろんリメイクで単勝2.0倍でレースが始まります。
*レースの翌日セレクトセール初日に謙一君が来てくれてレース内容を聞くことができたので、その内容をお伝えしていきたいと思います(以下:謙一君)
今回は芝スタートだったので心配はしていませんでした。
このメンバーでもテンや二の脚は速いと思っていましたので思い通りのスタートが切れました。
11番のメイショウダジンが突っかかってきたので、少し速いな(最初の3F33.9)とは思いましたが、スタミナはあるので想定内でした。
ドンちゃんってデカいのにめっちゃ器用なんですよ(笑)
コーナーワークめちゃくちゃ上手い。
ちなみにこの時、手応えは抜群でした。
最後の直線に入ってドンちゃんがラチを頼ろうとしました。
左に差さって真っ直ぐ走れないので、すぐに修正しました。
ドンちゃんは真面目なので応えてくれました。
修正したら真っ直ぐ走ってくれる。
リメイクが後ろから来ているのも分かっていましたが、ドンちゃんはハミをとってくれました。
思い通りの競馬が出来ました。
最後に謙一君が…「まだ良くなりますよ!」
そう言って笑ってくれました。
プロキオンS 結果
来賓用の部屋でのレース観戦は夢のようでした。
「最初の3F33.9!謙一!0.3秒速いぞ!」
「いや!リメイクも脚使ってるよ!」
「ドンちゃん手応え良いよ!」
「大丈夫!イケる!イケる!」
「リメイク来てる!リメイク来てる!」
「頼む!ドンちゃん!」
「残せ!残せ!」
「よっしゃー!!!!」
ゴールした瞬間、もうメチャクチャだった。
みんなオッサンだけど…みんなで抱き合って喜びまくった。
俺の足なんてどうなってもいいと思った。
一生忘れられない時間だった。
オーナーが現地のS先生と電話したら、S先生が号泣してた。
先生とは開業からずっと一緒にやってきた。
ここまで来るのに7年かかった。
7月9日…ちょうど4年前の今日、このノーザンホースパークで初めてドンちゃんと出会った日だ。
プロキオンS レース後
レース翌日、セレクトセール初日
S先生、謙一君、大成が来てくれて、チームHAYANO全員が揃いました。
セールそっちのけで喜び合いました(笑)
牧場の方や調教師の先生方、騎手の方たちから「昨日はおめでとうございます!」と声を掛けられ、ドンフランキーが重賞を勝った重さを実感しました。
でも、すぐに今後のプランニングをみんなで話し合いました。
もう次の戦いが始まっています。
セレクト会場でS先生から「そう言えば、昨年ウィーミスフランキーがミッキーアイルの仔を出産したときに亡くなったそうです。」
ウィーミスフランキーはドンフランキーの母です。
米国で5戦3勝(G1を2勝)し、日本に来て、9頭の産駒を送り出し14歳でこの世を去りました。
きっと天国でドンちゃんの活躍を見守ってくれています。
応援して頂いた皆さん、本当にありがとうございました!!
これからも宜しくお願いいたします。
G1獲るぞ!!!!
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