ゲート試験
セレクトセール下見の時に見に行きました。
相変わらず素晴らしい馬体ですが、担当の方曰く「精神的に幼く、慣れるまでに時間がかかります。まだ基礎体力が付いてきていないので乗り込みが必要です」
セレクトセールの時にS先生から「そろそろヴァリージア入れます」とのことで、8月に厩舎に入れてゲート試験を受ける流れになりました。
ゲート試験の日にオーナーから連絡ありました。
おいおい
ヴァリージア
ゲート試験落ちたぞ
はい!?
ゲート試験って落ちるんか??
今までお手馬がゲート試験落ちた事なんてないぞw
よくよく話を聞くと…ゲートには入って、スタートしたけど、ちょっと進んで止まってしまったらしい。。。
この一件から暗雲が立ち込め始めました。
2回目のゲート試験でも止まりそうだったようですが…お情けで合格をもらったようです(笑)
何とかゲート試験を合格して、予定通りNFしがらきに入る事になりました。
流石にゲート試験を2回受けてガレてましたね。
僕たちは「とにかくゆっくりやってほしい」とNFしがらきにお願いしました。
今まで触ってきた馬でも過去最高の馬体です。
怪我も怖いですが、やらないと基礎体力がつきません。
ゆっくりじっくりやっていくしかないのです。。。
デビューに向けて
ゲート試験からNFしがらきに入って1か月
だいぶ馬体は戻ってきていました。
この時で532㎏です。
ただ、担当の方は「まだかなり緩いですし、終いがどうしても甘くなります。」
うーん…年内は厳しいですね。。。
前回10月に見た時と比べるとそれほど変化は見られませんでした。
馬体重が539㎏です。
「このままでは進歩が無いので、S厩舎に入れて1回使いましょう」
2023年1月22日 小倉5R 3歳新馬 芝1800m
ここに向けて1か月以上S先生のもとで調教してもらいます。
また、この仔はS先生の弟子である団野大成騎手に乗ってもらう事になりました。
何とか新馬戦までに形にしてほしいと思います。
新馬戦 入厩
2022年12月14日にS厩舎に入りました。
そこから週6での調教です。
12月22日に団野騎手を背にCWで初めて強めの調教を行いました。
その日にオーナーから連絡が…
ヴァリージア…喉鳴りかもしれん…
強めに追ったら音が聞こえたみたい。。。
ちょっと診てもらうわ。
マジかよ。。。
喉鳴りはあかんわ…終わった(涙)
喉鳴りでもいろいろあります。
軽症ならまだ良いのですが、酷いともう走れない事も多々あります。
また大型馬によく見られ、540㎏近いヴァリージアなので正直「終わった」と思いました。
数日後にオーナーから連絡が来て…
喉鳴りじゃないらしい
カメラ入れて見たけど異常は無かったって。
でも、音は聞くらしいから…何なんだろう?
はい!?
喉鳴りじゃないのは良かったけども…じゃあ音は何なん??
S先生によると成長過程で気管に舌が入る事があるとのことでした。
ただ、100%そうとも分からないので様子を見ながら調教を続けることになりました。
調教を続けて…約1か月経過して、少しずつタイムは縮めてはいましたが必ず終いが甘くなります。
S先生からオーナーに「1月22日の新馬戦を一旦白紙にしてはどうでしょうか?」と相談があったそうです。
しかし、1か月以上厩舎で調教をやってきて、何もせずにまたNFしがらきに戻すのもどうか??
また、こんなに調教やっているのに飼い葉食いも良く、馬体重もそんなに減っていない。
それなら「怪我のリスクも少ないダートで下そうか」という決断になりました。
また、団野騎手は小倉(芝1800m新馬)予定でしたので、中京ダート1800mになると変更が必要でした。
ワンポイントならと言う事でDイーガン騎手に乗ってもらう事になりました。
新馬戦 レース前
最終追い切りにイーガン騎手が乗りました。
その日にオーナーからの連絡で…
イーガンが追い切り後にS先生に
「Its a baby!」
って言ってたらしい。。。
赤ちゃん!?(笑)
まぁ仕方ない…調教タイムを見ても全く期待できないし(笑)
こんなにもワクワクしない新馬戦は初めてです。
はっきり言ってイーガン騎手による公開調教だと思っていました。
2023年1月21日 中京3R 新馬戦 ダート1800m
馬体重は524㎏、5番人気
ノーザンF生産馬はヴァリージア1頭のみで、申し訳ないですが血統見たら上位人気かな…
パドックを見て、I氏が「相変わらずバランスは良いけど、筋肉のメリハリが無いな~」
まぁそもそも公開調教だし…まずは無事に走ってください。。。
新馬戦 レース
ゲート前での輪乗り
7番のジュエルプリンスがゲートに入らない
「うわー偶数で良かったwヴァリージアはゲート試験落ちてるし…頼むからスタートしてくれ」
ゲートが開いてスタート!
のそっと何とかゲート出ました。
1コーナーに入る手前で最初のアクシデントが発生します。
砂を被って嫌がり、首を上げて最後方に…しかも大外に膨らみます。
「もう終わった。。。タイムオーバーや…」
まずこの時点で諦めました(笑)
恐らく関係者全員そう思ったと思います。
向こう正面に入って1頭だけ大外をポツン。。。
まぁイーガン騎手に話はしてあると思いましたので、最後の直線だけビシッと追ってもらって終了だな…なんて思ってたら…
イーガン騎手が3コーナー手前からグイグイ追い始めました。
「おいおい!?イーガン諦めてねぇーし!!」
大外ブン回して最終コーナーを回って最後の直線
前半1000m通過が1.04.5のスローでしたし、ずっと大外を走ってのブン回しですからね…
もう脚は残してないと思っていました…
それが…最後の直線に入っても手応えは良さそうw
「うぉ!マジか!?これ行けるんちゃうの?」
そう思った瞬間、またアクシデントが発生します。
外に寄れた!?
後でオーナーに聞いたところ、この時芝コースのゲートの動きと鳥に反応したみたいです(笑)
「おいおい!?もうスゴイ外だし。。。」
もう流石に厳しい。
後はゆっくり沈んでいくだけだ。。。
っと思ってたら、ここからグイグイ加速していくヴァリージア
「うぉ!マジか!?めちゃ速いしw」
もの凄い末脚で3着までもってきました。
もうメチャクチャです(笑)
オーナーと先生には申し訳ないですが、僕とI氏は大爆笑w
もう競馬歴は長いですが、こんな馬なかなかお目にかかれません。
比較してはダメですが、オルフェーヴルの阪神大賞典を思い出しましたよ。
出走すら危ぶまれたヴァリージアの新馬戦ですが、アクシデントがあり、本当に事故が無かったのは良かったです。
(S先生はJRAに呼び出され注意されたらしい…)
公開調教だと思って臨んだレースが、ヴァリージアの能力の片鱗を垣間見るレースになりました。
新馬戦 レース後
レース後にオーナーと話をしました。
もう何なんだ!制裁食らうとこだったし。。。
イーガンから「すいません…勝てませんでした。」
って、勝つつもりだったんかーい!(笑)
とにかくありゃスタミナお化けや…状態見てすぐ使うぞ!
てか、かっちゃん…ヴァリージアって3×4入ってたっけ??
いや、3×4なんて入ってないよ。
むしろ血統的には健全だね…
あれは完全にドゥラメンテ気質だね。
僕は正直ワクワクが止まりませんでした。
確かに課題は少なくないです。
でも、あのラスト1Fの爆発力は間違いなくドゥラメンテでした。
お陰様でドゥラメンテ産駒を3頭見させてもらっています。
レヴェッツァとリバティアイランドと、そしてこのヴァリージア。
3頭とも気性は荒いですが、爆発力を持っています。
ドゥラメンテ産駒の最大の特徴はこの爆発力なんです。
ノーザンファームのOさんから連絡が入りました。
「すいません!うちのやんちゃ坊主がご迷惑をおかけいたしまして!…ただ、能力の片鱗は見せてくれました。もしかすると大化けするかも知れませんので、是非長い目で見てあげてください。」
その通りです。
ポテンシャルは確信しました。
あとは陣営がどう課題をクリアしていくか…ワクワクが止まりません。
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