2021セレクトセール 藤田オーナー購入1歳馬
もうすぐ2022年セレクトセールの上場馬が発表されます。
そこで今回は、昨年開催された2021セレクトセールにて爆買いをしました藤田オーナーの購入馬を検証していきたいと思います。
1歳馬に関してはもうすぐデビューしますし、個人的には今年のセレクトセールへ向けて参考資料になりますので興味のある方は暇つぶしにして頂ければと思います。
【2021セレクトセール藤田オーナー購入1歳馬】
- サンタフェチーフ/牡馬/父リアルスティール/NF/16000万円
- ワイルドラズベリー/牝馬/父エピファネイア/NF/7800万円
- メジロオードリー/牡馬/父ハービンジャー/レイクヴィラ/5600万円
- ヴィンテージローズ/牡馬/父エピファネイア/NF/20000万円
- ベルアリュールⅡ/牡馬/父ドゥラメンテ/NF/10500万円
- ローザフェリーチェ/牡馬/父エピファネイア/NF/11000万円
- ラスティングソング/牡馬/父ロードカナロア/NF/9200万円
- ケアレスウイスパー/牡馬/父ドレフォン/NF/6400万円
- メジロツボネ/牡馬/父ハーツクライ/レイクヴィラ/16500万円
- ファイネストシティ/牡馬/父ロードカナロア/NF/30000万円
- ムーングロウ/牡馬/父サトノアラジン/NF/8600万円
- イルーシヴウェーヴ/牡馬/父ハーツクライ/NF/12000万円
12頭購入されて、合計15億3600万円（税抜き）になります。。。
えげつないですわ（笑）
藤田オーナー購入馬 見解
こうして購入馬を並べると単純に欲しい馬を買っている訳ではないのが良く分かります。
- 購入馬はすべてノーザンファーム生産馬（レイクヴィラはノーザン傘下）
- 12頭中11頭が牡馬
- 種牡馬に拘りはない（繁殖牝馬優先）
- 血統的には極力リスクが少なく走りそうな馬
恐らくですが、セリは代理人の方が行っていましたので、チームで臨んでいると思います。
流石にビジネスの流れで参入していますので、かなり研究して購入しているのが分かります。
上からで申し訳ありませんが、私も全く同じ考え方です。
すべてNF生産馬を購入していますが、これは以前にも書きましたがNFは馬の質も環境も人材もシステムもすべて国内トップです。
未来の事は分かりませんが、現状でG1を獲りたいならNFしか有り得ません。
ほとんど牡馬を購入していますが、これは種牡馬狙いでしょう。
当たり前の話ですが、牝馬は繁殖入りしても年間1頭しか生産できませんが、牡馬で種牡馬になれば年間数百頭に種付けできますので圧倒的なビジネス差が生じます。
種牡馬に拘らないのは金子オーナーもそうですが、種牡馬に拘ると好走確率が下がります。
大事なのは繁殖牝馬との相性です。
種牡馬は何頭も種付けしていますが、繫殖牝馬はその年に1頭しかいないのです。
その1頭を見極めないと好走馬には辿り着けません。
最後に血統面ですが、初仔は手を出していないです。
近年はそれほど顕著にはなっていませんが、基本的に初仔は走らないというのがあります。
やっぱり3番仔～5番仔あたりがベストで、初仔が現役でどんな馬か確認した上で購入できればリスクは減ります。
ただ、それはみんな知っていますので当然値段は上がります。
そんな感じで、素晴らしい馬たちを購入されていますので、何頭かピックアップして解説していきます。
この中から未来のウマ娘が居るかもしれませんね。
サンタフェチーフの2020 フェイト
父：リアルスティール（日本）
母：サンタフェチーフ（IRE）
母父：Wiesenpfad(FR)
3代母父：Tiger Hill(IRE)
サイアーライン：ディープインパクト（サンデーサイレンス系）
父母ライン：ストームキャット（ストームバード系）
母父ライン：アルザオ（リファール系）
ボトムライン：デインヒル（ダンジグ系）
母サンタフェチーフはS先生の管理馬で、吉田和美さん（社台）所有馬です。
まだS先生が開業したばっかりだった当時、「ものすごく良い馬なんですが、脚がグニャグニャなんです」と聞いていましたので、よく覚えています。
結局、通算成績12戦3勝でオープン入りも果たせませんでしたが、脚元に不安がなければかなり良いところまで行っていたと思っています。
そんなサンタフェチーフの2番仔にあたるのがこのフェイトです。
初仔は父キンシャサノキセキのスーパーチーフ（サンデーレーシング）で、現在2戦0勝で苦しんでいます。
血統的にはスーパーマイラー血統になります。
柔らかいスピード因子がいたるところに存在しますね。
ただ、私なら怖くて手は出せません。
母サンタフェチーフは脚元に不安がありました。
そして、リアルスティールの母ラヴズオンリーミー産駒も足元に不安がある血統です。
妹のラヴズオンリーユーは脚元グニャグニャで有名です。
普通に考えたら脚元グニャグニャの確率は高いです。
ただ、ラヴズのように怪我無く上手く乗り越えられれば素晴らしいスピードが得られます。
馬がしっかりしてくるまでが勝負でしょう。
ヴィンテージローズの2020 チャンスザローゼス
父：エピファネイア（日本）
母：ヴィンテージローズ（日本）
母父：ゼンノロブロイ（日本）
3代母父：Shirley Heights(GB)
サイアーライン：シンボリクリスエス（ロベルト系）
父母ライン：スペシャルウィーク（サンデーサイレンス系）
母父ライン：ゼンノロブロイ（サンデーサイレンス系）
ボトムライン：ミルリーフ（ネヴァーベンド系）
母ヴィンテージローズは21戦2勝のローズ一族です。
このチャンスザローゼスが3番仔になりまして、初仔がファイアーロート（父リオンディーズ）で現在16戦3勝と活躍しています。
2番仔がヴィブラフォン（父ドレフォン）で現在5戦1勝です。
初仔のファイアーロートと4分の3同血になります。
サイアーラインがキンカメかロベルトかの違いですね。
この血統は興味深いです。
まずボトムのローズ一族は良い馬を出すけどパンチが足りないんです。
ローズキングダム、ローゼンクロイツ、ローズバド、そして祖母のロゼカラーと良い馬なんですが突き抜けれない。
そこに、ヴィンテージローズの初仔のファイアーロートがぼちぼち走った。
そのファイアーロートのサイアーラインをキンカメからロベルトに変わることでロベルトの爆発力を期待して付けた訳ですよ。
ただ、問題は母父ゼンノロブロイです。
ゼンノロブロイのBMS（母父成績）は絶望的に走りません（笑）
ファイアーロートはサイアーラインがキンカメだったから、ある程度走った可能性もある訳です。
ちなみに馬体は素晴らしいです。
この仔が中内田厩舎に入厩するのも興味深いです。
今、馬体作らせたらNO1厩舎だと個人的には思っています。
ファイネストシティの2020
父：ロードカナロア（日本）
母：ファイネストシティ（日本）
母父：City Zip(USA)
3代母父：Lemon Drop Kid(USA)
サイアーライン：キングカメハメハ（ミスタープロスペクター系）
父母ライン：Storm Cat（ストームバード系）
母父ライン：City Zip（ミスタープロスペクター系）
ボトムライン：Kingmambo（ミスタープロスペクター系）
2021セレクトセール1歳馬でNO1ホースと言っていいでしょう。
母の実績、馬体、血統、何一つ文句も出ない馬です。
流石にお値段も3億円ですか。。。
母のファイネストシティはアメリカ産で20戦5勝、G1のBCフェリー＆メアスプリントの勝ち馬です。
このリプレゼントは2番仔になります。
初仔はダノンアーリー（父フランケル）で現在6戦0勝で勝ち上がれていません。
私はこのダノンアーリーの不発が逆にリプレゼントの評価を上げていると思っています。
フランケルが合わないという事は＝ヨーロッパ的なスピードが合わない可能性が高く＝アメリカ的なスピードのほうが合う可能性が高いという事。
そして、ロードカナロアを付ける事により、血統構成の4ラインのうち3ラインがミスプロという理想的な血統構成になります。
ミスプロはスピードはもちろんパワーも兼ね備え、そして相手の長所を引き出します。
その相手のラインがストームキャットになります。
この血統で走らない訳ないでしょ？と思っていても走らないのが競馬の世界です（笑）
ちなみにこのリプレゼントも中内田厩舎です。
新馬戦が楽しみですね。
藤田オーナー1歳購入馬 まとめ
2021セレクトセール1歳馬を藤田オーナーは計12頭購入しました。
今回は3頭しか紹介できませんでしたが、この3頭以外の9頭もそれぞれ面白い馬たちです。
この12頭は順調にいけば今年（2022年）にデビューを飾り、ひょっとしたら来年のクラシックで何頭か競馬界を賑わしているかも知れません。
今から非常に楽しみです。
今回は2021セレクトセールにて藤田オーナーが購入した1歳馬を分析してみました。
次回は2021セレクトセール当歳馬編を書きたいと思います。
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