2022日本ダービー 血統考察

血統考察

ジオグリフ 血統考察

ジオグリフ 5代血統表

父:ドレフォン(USA)
母:アロマティコ(日本)
母父:キングカメハメハ(日本)
3代母父:サンデーサイレンス(USA)

サイアーライン:ストームキャット(ストームバード系)
父母ライン:ゴーストザッパー(デピュティミニスター系)
母父ライン:キングマンボ(ミスタープロスペクター系)
ボトムライン:サンデーサイレンス(ヘイルトゥリーズン系)

2022年皐月賞でドレフォン産駒初のG1タイトルを獲得しました。
正直なところこんなに早く、しかも芝G1を獲れるとは思いませんでした。
私はジオクリフは皐月賞で好走するとは思っていましたが、まさか勝ち切るとは思っていませんでした。
実際のところ、福永騎手の好騎乗もありましたし、前日まで雨が降って(レースは良馬場)ジオグリフにとっては絶好の馬場コンディションだったと思います。

1着ジオクリフが494㎏、2着イクイノックスが492㎏、3着ドウデュースが496㎏と見事に上位3頭が馬体重490㎏台の馬で決着しています。
また、中山2000mはテクニカルなコースなので、小回り適性とパワーが要求された結果でした。

血統的に見ても、母アロマティコは函館の巴賞を勝ってますし、札幌のクイーンS2着の実績があります。
洋芝適性(パワー)と小回り適性は母から譲り受けています。
そして、父ドレフォンからスピードを得ていますので、今回は見事にハマった感じはしますね。

この適性を見ると「ちょっとダービーはどうかな?」
なんて思いましたが…
ジオクリフの兄アルビージャ(父モーリス)は東京芝2300mのレコードホルダーで、祖母ナスカの兄はダービー2着のインティライミ(父スペシャルウィーク)なんですよね。
実際、共同通信杯57㎏で2着に来ていますから問題なさそうです。

ドレフォンはコンビニ種牡馬です。
母アロマティコをそのまま出していると考えて良いと思います。
アロマティコは秋華賞3着、ヴィクトリアマイル10着、エリザベス女王杯3着でした。
距離は大丈夫だと思いますが、勝ち切るにはすべてが嚙み合わないと難しいと思います。
ただ、好走はしてくると思っています。

イクイノックス 血統考察

イクイノックス 5代血統表

父:キタサンブラック(日本)
母:シャトーブランシュ(日本)
母父:キングヘイロー(日本)
3代母父:トニービン(IRE)

サイアーライン:サンデーサイレンス(ヘイルトゥリーズン系)
父母ライン:サクラバクシンオー(プリンスリーギフト系)
母父ライン:キングヘイロー(リファール系)
ボトムライン:トニービン(ゼダーン系)

デビューして2連勝で向かえた2022年皐月賞ではジオグリフに次ぐ2着でした。
しかし、5カ月ぶりの実戦でプラス10㎏、そして大外18番ですからね。
レースも負けて強しの競馬でしたし、ダービーでは上積みも見込めます。

母のシャトーブランシュは25戦4勝で2015年マーメイドSの勝ち馬です。
イクイノックスは3番仔で兄はラジオNIKKEI賞勝ちのヴァイスメテオール。
祖母のブランシェリー、3代母のメゾンブランシュは特に活躍馬を輩出している訳ではありません。

血統はとにかく母父キングヘイローですね。
今最も旬な母父です。
ピクシーナイト、ディープボンド、アサマノイタズラ、キングズガード、ヴァイスメテオールなどが居ますが、その中でも特にベストなのがリファールのクロスが入る血統です。

ピクシーナイトやディープボンドが母父キングヘイローでリファールのクロス持ちになります。
リファールは大舞台に強く勝負根性が出ます。
このイクイノックスも母父キングヘイローのリファールクロス持ち(しかも4×5×5の3ライン)で、上手く父キタサンブラックを継承しています。
さらに3代母父にトニービンで、ボトムラインの5代目にヌレイエフもいます。
長く良い脚が使えますので東京などの大箱向きですね。

普通にやったらイクイノックスがダービー馬でしょう。
ただ1つだけ気になるのが父キタサンブラックです。
ダービー馬っぽくない(笑)
ダービー馬の仔はダービー馬からという言葉があります。
近10年のダービー馬の種牡馬を見ても、ディープインパクト、キングカメハメハ、ハーツクライの3頭しか居ませんし、近4年連続でディープ産駒が勝っています
ただ、ディープインパクトとキングカメハメハが亡くなった今、歴史が変わるタイミングなのかも…

ドウデュース 血統考察

ドウデュース 5代血統表

父:ハーツクライ(日本)
母:ダストアンドダイヤモンズ(USA)
母父:Vindication(USA)
3代母父:ゴーンウェスト(USA)

サイアーライン:サンデーサイレンス(ヘイルトゥリーズン系)
父母ライン:トンービン(ゼダーン系)
母父ライン:シアトルスルー(ナスルーラ系)
ボトムライン:ゴーンウェスト(ミスタープロスペクター系)

2021朝日杯FSの勝ち馬で、2022弥生賞2着、皐月賞3着馬です。
皐月賞では上がり最速の脚を使って3着でした。
昨年の朝日杯FSで496㎏で勝利し、休み明けの弥生賞では504㎏(+8)、そして皐月賞では朝日杯と同じ496(-8)で仕上げてきましたので、ダービーでおつりがあるかどうか…

母ダストアンドダイヤモンズはアメリカで11戦6勝、ダート1300mのG2ギャラントブルームHとダート1200mのG3シュガースワールSを制しています。
姉のフラーレン(父Pioneerof the Nile)は現役でダート1800mで好走しており、兄のロンズデーライト(父ディープインパクト)も現役でダート1700mで好走しています。

ドウデュースは6番仔でハーツクライ産駒になりますが、これだけの脚を2歳から使っているハーツクライ産駒はなかなかお目にかかれません。
普通ハーツクライ産駒は緩いので時間がかかります。
母系を見るとゴリゴリのスピード血統なので、ハーツ特有のトニービン因子がバッチリ噛み合ったと思います。
さらにハーツクライ産駒のリファールクロス持ちですので、大舞台に強く勝負根性が出ます。

正直なところ、兄弟を見ると2400mは長い気がしますが、折り合いは付きますし、血統的に距離は基本父遺伝ですのでこなせると思います。
また、2歳からの活躍を見ると、母系のスピードが強く出ているので成長力は乏しい感じがします。
朝日杯を勝ってダービー馬というのはなかなか厳しいと思いますが、世代屈指の末脚は持っていますので好走は可能だと思っています。

ダノンベルーガ 血統考察

ダノンベルーガ 5代血統表

父:ハーツクライ(日本)
母:コーステッド(USA)
母父:Tizway(USA)
3代母父:Malibu Moon(USA)

サイアーライン:サンデーサイレンス(ヘイルトゥリーズン系)
父母ライン:トンービン(ゼダーン系)
母父ライン:Tiznow(マンウォー系)
ボトムライン:APインディ(シアトルスルー系)

ダノンベルーガは新馬戦を勝って、2戦目でG3共同通信杯で皐月賞馬ジオグリフを破って連勝
しかし、皐月賞では2番人気4着に敗れています。

母コーステッドはアメリカで10戦2勝、G1ジュビナイルフィリーズターフで2着の実績があります。
ダノンベルーガは初仔になります。
祖母のMalibu Pierはアメリカで14戦6勝、芝G2を2勝、芝G3を1勝の実績があります。

ドウデュースと同じハーツ×アメリカ血統ですが、ダノンベルーガはアウトブリードになります。
ただシアトルスルーが入るのは共通しています。
このダノンベルーガもハーツクライ産駒なのに早い時期から速い脚が使えます。
イメージはドウデュースと似ていますね。
馬体重も同じくらいです。
ただ、馬体を比べるとドウデュースよりも胴長でダノンベルーガのほうがハーツクライ産駒っぽいです。

共同通信杯で上がり最速でジオグリフを差し切っていますので、間違いなくダービーのほうが皐月賞よりも適性は向きます。
皐月賞では1番枠スタートで馬場が悪い内側を終始回りました。
実際に勝馬のジオグリフは14番、2着イクイノックスは18番、3着ドウデュースは12番と上位3頭は2桁馬番で内側よりも外側を回ってきた馬たちでの決着でした。
当日の馬場状態もダノンベルーガ向きではなかったです。

もちろんダービーでは条件がバッチリ決まらないと勝てないと思いますが、勝てる力はあります。
ドウデュースと同じく世代屈指の末脚を持っていますから。

オニャンコポン 血統考察

オニャンコポン 5代血統表

父:エイシンフラッシュ(日本)
母:シャリオドール(日本)
母父:ヴィクトワールピサ(日本)
3代母父:Sahm(USA)

サイアーライン:キングマンボ(ミスタープロスペクター系)
父母ライン:プラティニ(ヘロルド系)
母父ライン:ネオユニヴァース(サンデーサイレンス系)
ボトムライン:Sahm(ミスタープロスペクター系)

母シャリオドールは国内6戦0勝で、初仔がマイナーズライト(父スイプトオーヴァーボード)で現役ダート1400mで2勝しています。
2番仔がこのオニャンコポン(父エイシンフラッシュ)になります。
この母シャリオドールは名繁殖牝馬の可能性が高いです。
オニャンコポンはエイシンフラッシュ産駒初の重賞ウィナーで、もう既に最高傑作ですからね。
エイシンフラッシュで重賞馬を出すって相当ですよ(笑)

祖母はG1を3勝した名牝サプレザです。
サプレザの下に毎日杯勝馬のサトノインプレッサがいます。

オニャンコポンの血統を見ると、ミスプロの4×4×5が特徴的です。
母系に2本ミスプロが入っていますが、ミスプロは相手を引き出すので残るのはネオユニヴァースとプレザントタップ。
サイアーのミスプロの相手はプラティニになります。
これら3頭ともスタミナ因子なので、オニャンコポンはスタミナ寄りの血統構成になります。

そもそもエイシンフラッシュはなぜ強烈な末脚でダービーと天皇賞秋を勝ったのか?…未だに私は血統表を見て答えを出せません。
どうしてもプラティニが邪魔をします。
エイシンフラッシュ産駒も父のような強烈な末脚を繰り出す仔は出ないから尚更不思議な馬です。

オニャンコポンも父に似て不思議な馬です。
デビューして2連勝で向かえたホープフルSでは11着に大敗して、京成杯では6番人気で見事に勝利。
皐月賞では8番人気で6着でした。
父エイシンフラッシュも同じ京成杯を勝利して、皐月賞では11番人気で3着、そしてダービーを7番人気で見事勝利します。
オニャンコポンも当日7番人気くらいでしょうか…

はっきり言って血統的に見ればダービーは勝てそうにありません。
圧倒的にスピードが足りません。
ただ、父同様に何か持っている場合…ひょっとするかも知れません。

キラーアビリティ 血統考察

キラーアビリティ 5代血統表

父:ディープインパクト(日本)
母:キラーグレイシス(USA)
母父:Congaree(USA)
3代母父:Old Trieste(USA)

サイアーライン:ディープインパクト(サンデーサイレンス系)
父母ライン:アルザオ(リファール系)
母父ライン:アラジ(ブラッシンググルーム系)
ボトムライン:APインディ(シアトルスルー系)

母キラーグレイシスはアメリカ16戦3勝でダートG1ハリウッドスターレットSを勝っています。
キラーアビリティ(父ディープインパクト)が6番仔になります。
祖母Heatherdoesntbluffはアメリカで5戦1勝です。
特に優秀な牝系ではありません。

キラーアビリティはG1ホープフルSを勝ちましたが、それよりも2戦目の未勝利戦(小倉芝2000m)でのレコード勝利が強烈すぎて、その印象が強く残っています。
あのパフォーマンスを見てしまうと「今年のダービーは…」と思っていましたが。。。
前走の皐月賞では4番人気13着と大敗してしまいました。
ちょうどうちのドンフランキーと併せ馬をしていたのでよく覚えていますが、全然ダメでしたね。

5年連続でダービーを勝っているディープインパクト産駒で、母系にブラッシンググルームとシアトルスルーですから血統的には全く問題ありません。
ただ、昨年ホープフルSを勝って4カ月休養して馬体重に変動が無かったのが気になります。
小倉や中山で勝っているので輸送は関係ありません。
単純に成長していない可能性があります。
ドンちゃんの僚友なので応援はしていますが、調教、馬体重、パドックを確認してからでしょう。

アスクビクターモア 血統考察

アスクビクターモア 5代血統表

父:ディープインパクト(日本)
母:カルティカ(GB)
母父:Rainbow Quest(USA)
3代母父:Night Shift(USA)

サイアーライン:ディープインパクト(サンデーサイレンス系)
父母ライン:アルザオ(リファール系)
母父ライン:レインボークエスト(ブラッシンググルーム系)
ボトムライン:ナイトシフト(ノーザンダンサー系)

新馬戦は東京でジオグリフに差されて3着、未勝利戦中山でアサヒに完勝。
3戦目東京アイビーSで今度はドウデュースに差されて3着、4戦目中山1勝クラスでレヴァンジルに勝利。
5戦目中山弥生賞でドウデュースの猛追を振り切り重賞制覇。
6戦目皐月賞では外差し馬場の中、逃げて強しの6番人気5着でした。

中山ではしぶとく先行力を活かすが東京では切れ負けする非常に分かりやすい馬です。
恐らくダービーでは適性が向かず、厳しい戦いになるでしょう。

母カルティカはイギリスで18戦1勝ですが、G3のフィユドレール賞(フランス/芝2100m)で3着の実績があります。
カルティカの初仔はコロネイションS(イギリスG1)、ロートシルト賞(フランスG1)などを制したケマー(父デインヒルダンサー)
5番仔から日本で下され、アスクビクターモアが6番仔になります。

母系は凱旋門賞馬レインボークエストを筆頭に、ナイトシフト、ロベルトなど重厚な血統構成になっています。
父はディープインパクトですが、切れるというよりも先行して粘りこむタイプです。
馬体重470㎏前後ですが、母系を強く出している印象です。
昨年のタイトルホルダーとキャラは被っていますね。

ダービー血統考察 まとめ

ダービー血統は?
と言われると、やっぱり4年連続で勝ち馬を輩出しているディープ産駒になる。
ただ、今年の出走を予定しているディープ産駒は…

  • アスクビクターモア→中山巧者で東京は向かない
  • キラーアビリティ→成長が止まった感のあるディープ産駒は厳しい
  • コマンドライン→血統的には◎だが抽選(笑)
  • プラダリア→クロフネ&グルームダンサーのダブルニックスだが、青葉賞の内容的に…
  • ロードルゼル→この母系は小回り巧者でパワータイプ

もう1頭ディープ産駒がいます。
ディープ産駒ならこの馬ですね。
ジャスティンパレスです。
母は名繁殖馬のパレスルーマーで、3番仔にベルモントS(米G1)を勝ったパレスマリス、8番仔にアイアンバローズ(父オルフェーヴル)がいます。
母系にヌレイエフがいるのもgoodですが、問題はロベルト持ち…
この仔も後ろから鬼脚炸裂というよりも先行して持続させるほうが良さそうです。

本当、今年のディープ産駒は母系が重いのばっかりでスピードが足りません。
そうなると…
イクイノックスはキタサンブラックというのが引っ掛かりますし、ジオグリフは母系が少し足りない気がします。
ドウデュースは善戦馬だし、オニャンコポンは名前で勝てない。
という事で残ったのはこの馬

ダノンベルーガです。

第81代ダービー馬ワンアンドオンリーと同じハーツクライ産駒で母系にダンジグを持っています。
ドウデュースよりも東京向きの馬体で、堀先生というところが大きいですね。
堀先生と言えば私の大好きな第82代ダービー馬ドゥラメンテです。
バッチリ仕上げて本番に合わせてくると思っています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました