ハービンジャー 戦績
ハービンジャー(英国)牡馬 2006/3/12生 鹿
戦績:海外9戦6勝
1着実績:キングジョージ6世&クイーンエリザベスS(G1)/ハードウィックS(G2)/ジョンポーターS(G3)/オーモンドS(G3)/ゴードンS(G3)
2着実績:なし
3着以下実績:セントサイモンS(G3)
2010年度世界NO1ホース
ハービンジャーは1歳時にタタソールズのセリにて約4400万円で購入される。
デビューは遅く、3歳4月にデビューする。
2戦目で勝ち上がり、続く3戦目で初重賞制覇
しかし、その後の重賞2戦ともに敗れ約半年の休養に入る。
休養明けの4歳春、重賞を3連勝し、いよいよG1キングジョージ6世&クイーンエリザベスSに挑んだ。
レースでは2着になった愛ダービー馬のケープブランコに11馬身差の圧勝
キングジョージ史上最大着差での勝利で、タイム2.26.78もコースレコードであった。
この衝撃のキングジョージにより、レーティングは21世紀最高となる140ポイント(歴代4位)を獲得
前年のシーザスターズを抜くレーティングを獲得し世界NO1ホースとなった。
しかし、2010年8月に左前脚の管骨を骨折し引退。
引退後、社台スタリオンステーションで種牡馬入りすることとなった。
ハービンジャー 見解
当時、ハービンジャーが日本に来るというニュースで盛り上がりました。
なにせあのキングジョージ11馬身差の圧勝はインパクトが大きかったですから…
ただそれは日本での見方であって、英国では全くと言っていいほど評価されていませんでした。
公表されていませんが、ハービンジャーの購入価格は数億円程度だったようです。
評価されなかった理由として
- 良血馬でなかった
- 2歳でデビューできなかった
- クラシックに参戦できなかった
- 2400m以上の実績しかなかった
一言で言うと晩成スタミナ馬という事です。
2400mは長距離のカテゴリーになり、世界的にも日本でもあまり求められなくなりました。
香港やオーストラリアでは1200m~1600mが一番活気がありますし、今のワールドスタンダードは2000mだと言われています。
正直なところ、私も1600m~2000mが一番面白いと思います(笑)
↑で挙げた4項目は当然日本でもマイナスポイントになります。
日本のバイヤーもクラシックに乗せれない晩成スタミナ馬なんて求めていません。
恐らく、社台SSも最初からハービンジャーに期待していなかったと個人的には思います。
私はブラストワンピースもペルシアンナイトも種牡馬入りしなかった理由はここにあると思っています。
ハービンジャー 種付け推移
- 2011年/種付け頭数:211頭/種付け料:400万円
- 2012年/種付け頭数:222頭/種付け料:400万円
- 2013年/種付け頭数:159頭/種付け料:400万円
- 2014年/種付け頭数:114頭/種付け料:350万円/55位
- 2015年/種付け頭数:192頭/種付け料:400万円/14位
- 2016年/種付け頭数:101頭/種付け料:300万円/9位
- 2017年/種付け頭数:164頭/種付け料:250万円/6位
- 2018年/種付け頭数:212頭/種付け料:350万円/5位
- 2019年/種付け頭数:217頭/種付け料:600万円/8位
- 2020年/種付け頭数:119頭/種付け料:600万円/13位
- 2021年/種付け頭数:80頭/種付け料:400万円/15位
- 2022年/種付け頭数: /種付け料:400万円
相当ハービンジャーで社台は儲かりましたね(笑)
私もここまで安定した種牡馬成績を構築するとは思っていませんでした。
そこまで強烈な繁殖牝馬と配合している訳ではない上に、ディープやキンカメとサイアーランキングで競ってのこの結果ですから…優秀な種牡馬です。
ハービンジャー 血統
父:Dansili(GB)
母:Penang Pearl(FR)
母父:Bering(GB)
3代母父:Shareef Dancer(USA)
サイアーライン:デインヒル(ダンジグ系)
父母ライン:イルドブルボン(ニジンスキー系)
母父ライン:Bering(ネイティブダンサー系)
ボトムライン:Shareef Dancer(ノーザンダンサー系)
強調因子:Bering
母Penang Pearlはフランス産で英国16戦3勝
祖母Guapaは英国産で8戦2勝
3代母Sauceboatが英国産で14戦4勝、ここでようやくG3を1勝しています。
はっきり言ってボトムラインは弱いです。
弱いんですが、ハービンジャーのスタミナと柔らかさは母系から出ています。
サイアーラインは完全にスピード因子のデインヒルですからね。
このサイアーラインにダンジグ、母父にBeringというの血統構成が相性抜群で
カルティエ賞最優秀ステイヤーを3年連続で獲得した名ステイヤーのストラディバリウスも同じ血統構成です。
ちなみにストラディバリウスも晩成スタミナ馬です。
Beringは7戦5勝で仏ダービーを勝ってますから晩成ではありません。
ダンジグとBeringに晩成因子がないけど、ダンジグ×Bering=晩成になる…
難しいッスね(笑)
ハービンジャー 産駒
代表産駒として
- ディアドラ/牝馬/2014年生/秋華賞
- ノームコア/牝馬/2015年生/ヴィクトリアマイル
- ブラストワンピース/牡馬/2015年生/有馬記念
- モズカッチャン/牝馬/2014年生/エリザベス女王杯
- ペルシアンナイト/牡馬/2014年生/マイルCS
やっぱり晩成スタミナタイプですね(笑)
4歳から開花する感じです。
まぁ物凄く緩いみたいですからね…
ブラストワンピースに騎乗していた池添騎手も緩々だと言っていました。
「緩い」というのは、まだ芯が入っていない状態です。
芯が入ってくると覚醒したかのように好走しますが、緩いまま引退していく馬がほとんどです。
ハーツクライ産駒もほとんどの馬が緩いです。
私たちチームもハーツクライ産駒で3頭失敗しました(涙)
ちなみにハーツクライ産駒のジャスタウェイやスワーヴリチャードなども産駒は緩いです。
活躍馬の血統を見てもやっぱり繁殖牝馬はほとんどがB級です。
ペルシアンナイトの母オリエントチャームは良血ですが、その他はB級ですよね。
このあたりは本当に種牡馬として優秀だと思います。
代表産駒 ナミュール
父:ハービンジャー(GB)
母:サンブルエミューズ(日本)
母父:ダイワメジャー(日本)
3代母父:フレンチデピュティ(USA)
サイアーライン:デインヒル(ダンジグ系)
父母ライン:Bering(ネイティブダンサー系)
母父ライン:サンデーサイレンス(レイズアネイティヴ系)
ボトムライン:Deputy Minister(ヴァイスリージェント系)
強調因子:ダイワメジャー
まだ現時点でG1勝利はありませんが、いずれG1を獲るでしょう。
個人的ですが、大好きな血統表です。
バランスが素晴らしいです。
父ハービンジャーからスタミナを継承し、母父ダイワメジャーからパワータイプのスピードと持続力、そしてボトムのフレンチデピュティから瞬発力を引き出しています。
更に、リファールのクロスが入ることで勝負根性もある。
母系だけなら早熟っぽい感じですが、そこは父ハービンジャーの晩成の血が補ってくれるでしょう。
あと3代母にキョウエイマーチっていうのが良いですよね!
スピード、パワー、持続力、スタミナ、勝負根性、そして成長力…バランスが抜群です。
怪我が無ければ大きいところ勝ってくれると思っています。
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