キタサンブラック 血統考察

血統考察

キタサンブラック 戦績

キタサンブラック 牡馬 2012/3/10生 鹿
戦績:国内20戦12勝
獲得賞金:187684.3万円
1着実績:大阪杯/ジャパンカップ/有馬記念/天皇賞秋/天皇賞春(2回)/京都大賞典/セントライト記念/スプリングS
2着実績:有馬記念/大阪杯
3着以下実績:ジャパンカップ(3着)/有馬記念(3着)/皐月賞(3着)/宝塚記念(3着/9着)/日本ダービー(14着)

獲得賞金歴代2位の孝行馬

キタサンブラックはヤナガワ牧場にて2012年3月10日に誕生
産まれた時から好馬体で、走りも素軽く、期待されていたが「G1を勝てるとは全く思っていなかった」と、ヤナガワ牧場の代表は言っている。
350万円で北島三郎氏が購入
後に北島氏は購入時の感想を「顔が二枚目で僕に似ている。目も顔も男前で惚れました」と言っている。

大型馬という事もありデビューは遅めの2015年1月31日3歳新馬戦
馬体重510㎏で関西所属ながら、東京芝1800mで見事に差し切り勝利を挙げる。
次走も勝利し、3戦目のスプリングSでは朝日杯勝馬ダノンプラチナを退けて勝利し、デビューから3連勝で初重賞勝利を飾る。
3連勝で迎えたG1皐月賞では、ドゥラメンテ、リアルスティールに次ぐ3着
そして日本ダービーは直線で失速し14着に大敗した。

ダービー後、夏場の休養を挟んでセントライト記念を勝利
そして、クラシック最後のG1菊花賞でリアルスティールを抑えて初G1制覇を成し遂げる。
ちなみにこの時の馬体重530㎏は歴代最大重量での菊花賞制覇となる。

古馬になり、鞍上に武豊を迎える。
天皇賞春を勝利して迎えた宝塚記念ではマリアライト、ドゥラメンテに敗れ3着
4歳秋のジャパンカップでは1番人気に支持され見事に逃げ切り勝ちを収める。
しかし、その年の有馬記念ではサトノダイヤモンドに差され2着に敗れる。

5歳になり、この年からG1に昇格した大阪杯を勝利し初代王者に輝く。
続く天皇賞春ではディープインパクトが持っていたレコードタイムを0.9秒更新して勝利。
しかし、続く宝塚記念では断然の1番人気に推されるも直線で失速し9着に敗れる。
秋初戦の天皇賞秋では台風の影響の中2.08.3という史上最も遅いタイムで勝利する。
次のジャパンカップではシュヴァルグラン、レイデオロに差され3着に敗れる。
そして、引退レースとなる有馬記念ではシュヴァルグランやスワーヴリチャードを抑えて勝利し有終の美を飾る。

キタサンブラック 見解

デビュー時の馬体重が510㎏で、引退時が540㎏の大型馬です。
大型馬を仕上げるのは難しいのですが、清水調教師が見事に怪我もなく仕上げた結果だと思います。
「無事是名馬」 まさにこの言葉を体現した名馬です。

何となくですが、イメージ的にキタサンブラックってそんなに強い感じなくないですか?
G1を6勝もして、獲得賞金歴代2位ですよ。
しかも天皇賞春でレコードで勝ってますし、間違いなく強いです。
でも何故か、ディープインパクトやオルフェーヴル、ドゥラメンテやジェンティルドンナ、アーモンドアイのような強烈な印象がないんですよね。
その要因としては

  • 同じ年のライバル、ドゥラメンテに1回も勝てなかった
  • 逃げ、先行脚質
  • たまに意味不明の惨敗
  • 名前と勝負服
  • 武豊騎手の先行技術が凄すぎる

でも、これらの要因は全部説明がつきます。
ドゥラメンテには一度も勝てませんでしたが、4歳で故障引退してしまいましたので、キタサンブラック全盛期の5歳で当たっていたら1回くらい勝っていたと思います。
逃げや先行脚質の馬は差し追い込み馬よりも印象がかなり低いです。
私の大好きなダイワメジャーもそうですが、めちゃくちゃ強いし産駒も好成績のくせに評価が低い。
1回くらいG1で上がり最速差し切り勝ちみたいなパフォーマンスをしないとみんな納得しないのです。

たまに意味不明の惨敗をしますが、こんなのは大型馬の逃げ馬ですから当たり前です。
名前と勝負服に関しては…これは仕方ないです。
350万円で個人馬主ですから地味です。
クラシック登録してなかったくらいなので…
最後に武豊騎手ですが、逃げさしたら世界一です。
コンマ何秒の体内時計と馬の呼吸を操る人ですから、馬の強さよりも騎乗技術の印象が強くなってしまいますよね。

そんなこんなはまさに「後の祭り」
めちゃくちゃイケメンで強いのに、色々と残念なキタサンブラックです。

キタサンブラック 種付け推移

  • 2018年 種付け頭数:130頭 種付け料:300万円
  • 2019年 種付け頭数:110頭 種付け料:400万円
  • 2020年 種付け頭数:92頭 種付け料:400万円
  • 2021年 種付け頭数:102頭 種付け料:300万円
  • 2022年 種付け頭数:満口 種付け料:500万円

ドゥラメンテの初年度種付け料が400万円に対して、キタサンブラックは300万円でのスタート
種付け頭数もドゥラメンテは284頭もの頭数を初年度から付けるが、キタサンブラックは初年度130頭だった。
そして、残念ながらこの世を去ってしまったドゥラメンテの最終種付け料は1000万円
対するキタサンブラックは2022年500万円となっている。
このように、社台SSの評価が低いことが分かる。
残念ながら、血統、生産牧場、個人馬主というファクターにより、このような現状になっている。
恐らく、今後はより繫殖牝馬の質も落ちていくだろう。

キタサンブラック 血統

キタサンブラック 5代血統表

父:ブラックタイド(日本)
母:シュガーハート(日本)
母父:サクラバクシンオー(日本)
3代母父:ジャッジアンジエルーチ(USA)

サイアーライン:サンデーサイレンス(レイズアネイティヴ系)
父母ライン:Alzao(リファール系)
母父ライン:サクラバクシンオー(プリンスリーギフト系)
ボトムライン:ジャッジアンジエルーチ(ボールドルーラー系)
強調因子:サクラバクシンオー

父ブラックタイドはディープインパクトの全兄
母シュガーハートはヤナガワ牧場生産で期待されるが、デビュー前に屈腱炎を発生し未勝利で繁殖入りをしている。
祖母のオトメゴコロは社台ファーム生産で国内20戦4勝
3代母のテイズリーはアメリカで6戦4勝
はっきり言ってボトムは弱い。
ただ、リファール4×4は有効で、勝負根性が有り大舞台に強い。

何といっても母父サクラバクシンオーがポイントでしょう。
サクラバクシンオーってスーパースプリンターですよね?
日本馬の過去最強スプリンターとしてサクラバクシンオーの名を挙げる人も多いと思います。
しかし、サクラバクシンオーって血統的には全然スプリンターじゃないんですよね。
父サクラユタカオーに母父ノーザンテーストですから。

サクラユタカオーはプリンスリーギフト系で柔らかいスピードを持ちます。
ノーザンテーストはスピードの持続力と成長力を持ちます。
サクラバクシンオーってゴリゴリ系ではなく柔らかいスピードを長く使える馬なんです。
まぁ名前が「バクシンオー」ですからね(笑)勘違いしがちです。

そのサクラバクシンオーですが、BMS(母父成績)を見てみると意外に大したことない(笑)
G1勝ちがあるのはこのキタサンブラックのみで、あとメジャーなのはハクサンムーン、モンドキャンノ、ビアンフェくらい。
でも面白いのが、唯一G1を勝ったのが長距離馬のキタサンブラックで、あとの活躍馬はほとんどが短距離馬なんですよね。


ここが血統の深いところで、サクラバクシンオーはすごく主張する因子なんだけど、シュガーハートのバクシンオーだけは大人しいんです。
キタサンブラックの兄ショウナンバッハも中距離重賞で活躍しましたし、全弟のエブリワンブラックも中距離馬ですからね。。。短距離馬じゃないんですよね。

キタサンブラック 産駒

初めてキタサンブラック産駒を見たときに、何頭かは走るだろうと思いました。
うちの馬体担当I氏の評価も高かったですし、血統的にもブラックタイドはディープインパクトの全兄だし、リファールのクロスが入っているのは強みだと思います。


ただ、流れ的に最初の2年が勝負だと思います。
はっきり言って社台グループがキタサンブラックを評価しないので、バケモン級を最初の2年で出さないと繫殖牝馬の質が下がってしまいます。
…まだ分かりませんが、良いのが出ました。

イクイノックス 5代血統表

イクノイックス 2019/3/23 牡馬 青鹿 キタサンブラック第1世代

デビューして2連勝で東スポ杯2歳Sを制したキタサンブラック産駒のエースです。
2戦とも圧巻のパフォーマンスで、先行しても良し、差しても良しで今のところ何も注文付けるところがありません。

母のシャトーブランシュは25戦4勝で2015年マーメイドSの勝ち馬
イクノイックスは3番仔で兄はラジオNIKKEI賞勝ちのヴァイスメテオール
祖母のブランシェリー、3代母のメゾンブランシュは特に活躍馬を輩出している訳ではありません。

血統はとにかく母父キングヘイローですね。
今最も旬な母父です。
ピクシーナイト、ディープボンド、アサマノイタズラ、キングズガード、ヴァイスメテオールなどが居ますが、その中でも特にベストなのがリファールのクロスが入る血統です。

ピクシーナイトやディープボンドが母父キングヘイローでリファールのクロス持ちになります。
リファールは大舞台に強く勝負根性が出ます。
このイクノイックスも母父キングヘイローのリファール持ち(しかも4×5×5の3ライン)で、上手く父キタサンブラックを継承しています。

さらに3代母父にトニービンで、ボトムラインの5代目にヌレイエフもいます。
もう東京などの大箱血統ですね。
長く良い脚が使えます。
しかも早熟という感じでもないし、成長力もありそうです。

このイクノイックスがクラシックG1タイトルを獲れれば恐らくキタサンブラックの評価が上がり、繁殖牝馬の質も向上すると思います。
是非がんばってほしいですね。

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