セレクトセール2022 前編

セレクトセール

セレクトセール2022 1日目

2022年7月8日(金)安部元首相の事件を耳にして、何とも言えない心境で中部国際空港を発ちました。
新千歳空港に到着したのが夕方で、その日は千歳の寿司屋さんでNF関係者と夕食を共にし、千歳のホテルで泊まりました。

1日目は本当に何もない訳ですが、ここで今回のチームコンセプトをお話しておきます。

  • 昨年は1頭も落札できずに終わった為、今回は最低でも1頭、ベストは2頭購入
  • 目標は2頭で、牡馬1頭、牝馬1頭
  • 牡馬は1億円、牝馬は5000万円が基本予算
  • 血統は母の実績とスピード重視
  • 馬体は伸びしろ重視

まぁ今回は大変でした(笑)
オーナーもI氏もですが、この1か月は何頭の血統表を見た事か。。。
当馬はもちろん、その兄弟も母の兄弟も見ていくので、全部で500頭くらいは見たんじゃないかなぁ
うちのチームは藤田氏やダノンさんみたいに莫大な予算がある訳じゃないから、500頭見たって購入できるのは1頭か2頭…1頭も購入できない事だってあるから結構地獄(笑)
でも、その分落札できた時は一気に天国行きだからたまらない。

今回のノーザンファーム上場馬を初めて目にしたとき「今回はクオリティが高い」と思いました。
もう10年くらいセレクトセールに参加していますが、過去1番と言っていいと思います。
毎年、世界的繁殖牝馬を購入している訳ですから当然と言えば当然なんですが…
なので今回のセレクトセールは例年以上に楽しみでしたね。

セレクトセール2022 2日目

2日目はお昼に新千歳空港でお昼ご飯を食べました。
もちろん一幻のえびそばです。

えびそば一幻

お腹を満たして、レンタカーでノーザンファームに向かいます。

この日は当歳馬の下見です。
1歳馬の下見も出来るのですが、まだこのタイミングでNFしがらきスタッフは居ませんので、僕たちは当歳馬のみの下見をします。

ノーザンファーム 下見

こんな感じで、1頭ずつ引いてNF担当者とみんなで意見交換しながらチェックしていきます。

メインどころは全部見ましたね。
まず印象的だったのが、新種牡馬のサートゥルナーリアアドマイヤマーズです。
すごく良かったですね。
サートゥルナーリアはラルケットの2022、カゼルタの2022、オーサムウインドの2022の牡馬3頭を見ましたが、ラルケットは強烈でしたね(笑)
「絶対高くて買えないヤツ」で、黒鹿で余計に良く見えちゃうし、こういう馬はもうオーラがあるんです。
血統的にも兄ステルヴィオ(父ロードカナロア)に姉ステルナティーア(父ロードカナロア)で、当馬がサートゥルナーリア(父ロードカナロア)でしょ…そりゃー誰が見たって走るよ(笑)

次にアドマイヤマーズですが、ベルスリーブの2022、トレジャレングの2022の牡馬2頭を見ました。
前も後ろもゴリゴリ系なんですが、ちょっとダイワメジャーとも違う感じでバランスが良かったですね。
完全にマイラーだと思いますが、走ってくると思いました。

あと牝馬が良かったです。
うちのS先生もI氏も口を揃えて「今年は牝馬が良い」と言っていただけに印象に残る馬は牝馬が多かったですね。
スクールミストレスの2022(父サトノダイヤモンド)うちのヴァレリオの半妹になるのですが、ヴァリージアを知っているだけにメチャクチャ良かったですね。
血統的にもスクールミストレスがアルゼンチンなので、4分の3がアルゼンチン(ダイヤモンドの母マルペンサもアルゼンチン)血統になり、好走条件にハマりますね。
ただ、良すぎて絶対に買えないとも確信しました(笑)

あと、シーズアタイガー(父エピファネイア)やレディデラウェア(父ドレフォン)、ミスエーニョ(父キズナ)、セレスタ(父ミッキーアイル)、ラーゴブルー(父エピファネイア)あたりですね。
みんな良かったです。

最後にラストクロップになるドゥラメンテ産駒です。
コールバックの2022、ポジティブマインドの2022、シャンパンエニワンの2022と牡馬3頭を見ましたが、全頭それぞれ特徴があって素晴らしかったです。
特にコールバックは抜けて良かったです。
ドゥラメンテ産駒にしては柔らかいんですよね。


うちはレヴェッツァとヴァリージアの2頭のドゥラメンテを持っているので理解していますが、ドゥラメンテ産駒は共通して「スピードが足りない」です。
これはタイトルホルダーやアリーヴォにも言えます。
はっきり言うとドゥラメンテ産駒は東京(日本ダービー)に弱いんです。
だから、今回上場されているドゥラメンテ産駒はアメリカ系スピード血統の母を合わせています。
ただこれは諸刃の剣で、ドゥラメンテ産駒は基本パワータイプなので、ただのダート馬になる可能性も秘めています。

結果的にコールバックが26000万円、ポジティブマインドが15000万円、シャンパンエニワンが32000万円と高額になってしまいました。
今だから言えますが、僕たちはドゥラメンテ産駒が欲しかった。。。
でも、ヴァリージアが走ってくれると信じています。

セレクトセール2022 3日目

2日目の夕方に札幌に移動して、こっからは札幌滞在になります。

3日目のお昼ご飯は、札幌駅近くのスープカレー屋さんピカンティーです。
メチャクチャ美味しいです。

スープカレー ピカンティー

3日目は1歳馬の下見です。
1歳馬の下見はセレクトセール会場(ノーザンホースパーク)で行います。
この日は下見と共に受付を済ませます。

このタイミングでNFしがらきスタッフが来ているので、合流して1歳馬の下見を行います。

1歳馬のメインはやはりドゥラメンテ産駒でした。
ウィープノーモアの2021、フォースタークルックの2021、シーヴの2021、ジェイウォークの2021、リッスンの2021と牡馬5頭を見ました。

ウィープノーモアは旋回癖があったので、もう2週間前からチーム内で検討はしていました。
最終的に「見送る」という決断をしたわけですが、結果的にNFドゥラメンテ産駒牡馬で一番安い10000万円となりました。
残りのドゥラメンテ産駒4頭で、この下見の時点では「どれか獲れるんじゃないか?」と思っていましたが…結果的にはそんな甘いもんではなかったです。。。
フォースタークルックが20000万円、シーヴが22000万円、ジェイウォークが30000万円、ただ、ラストのリッスンが8200万円と格安だったのですが、これはもう時間が夜の20時を超えてしまって誰も居ないという異例の状況下でのセリでした。
もちろん僕たちはすでに帰っています(笑)

1歳馬の目玉はモシーンの2021父モーリスでした。
「これはヤバいヤツ」って全員思って見てましたねw
厩務員の人が「緊張感が凄くていつも触るのが怖いです」っていうくらいです。

あとは、キズナ産駒のシャンパンルームの2021とアルビアーノの2021、エピファネイア産駒のアウェイクの2021とマハーバーラタの2021とパロネラの2021、サトノダイヤモンド産駒のウィキッドリーパーフェクトの2021とオーサムフェザーの2021といったところは事前調査通り良かったです。
まぁ問題だったのがリアルスティール産駒ですよ…これは後ほど詳しく書きます。

最後にミッキーアイル産駒のチャイマックスの2021です。
これは今だから言えますが、裏本命でした。
恐らく高くても6000万円くらいで購入でき、血統的に僕もオーナーも高評価で、S先生とI氏の馬体評価も高かった馬です。
ただ上場番号が220番と後ろだったので、最悪の場合という事になりました。

ノーザンホースパーク 1歳馬下見

セレクトセール2022 リアルスティール産駒

今回のセリで僕の頭を一番悩ませたのがリアルスティール産駒でした。

僕は血統的にはワールドクラスで、スピードとスピードの持続力、そしてスタミナも持ち合わせている完璧に近い血統構成だと今でも思っています。

リアルスティール5代血統表

ただ、問題が発生しました。
まず馬体に強調材料が無いんです。
いや…馬体にパンチが無いと言ったほうが良いかな。
例えばキンカメ系はトモが丸くてパンとしてますし、ダイワメジャーは前も後ろもゴリゴリマッチョだし、ドレフォンは首が高いし、ディープ系でもミッキーアイルは短距離馬っぽいし、ダイヤモンドは距離が効きそうでバランスが抜群に良い馬が多いです。
でもリアルスティールはどこにも強調できる箇所が無いんですよね。。。

そして、新馬戦が始まって1か月が経過したにも関わらず1頭も勝ち上がれていない状況です。
皆さんは「まだ1か月じゃん」と言うと思いますが、これには裏があります。
NFは毎年、セレクトセールが始まる直前にセールしたい種牡馬を勝ち上がらせて購買意欲を上げようとします。
言わばCMを打つわけです。
昨年だと、キタサンブラック産駒のイクイノックスとドレフォン産駒のジオグリフです。
こういったクラブ馬のエース級をセレクト前に勝たせる事で、購買者にバイアスをかけて売上UPを図ります。

その今年のCMの主役を張るのがリアルスティールだと僕は思っていました。
上場番号1番のサマーハの2021を始め、NF上場馬最多の13頭を上場させていますからね。
それが蓋を開ければ10頭近くデビューして0勝、しかもレース内容もパンチが無い有様です。

S先生
S先生

現時点ですが、リアルスティールは物足りない印象です。
逆にダイヤモンドは走ってきそうです。

馬体もデビューした産駒も物足りない状況
ただ逆に言えば「評価されないので安くなる」し「まだ恐らくエース級は出ていない」という見方もあります。
ハッキリ言って答えは分かりませんが、血統的には抜群に良いし、あとは繁殖牝馬との相性で走る仔は走るだろうと結論付けました。

さて、セリはどうなる事やら…
ディープ、キンカメが完全に居ない初めてのセリで、ドゥラメンテもラストクロップです。
果たして無事に購入できたのか。。。
後編に続きます。

セレクトセール 1歳馬下見

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